とんちんかん

母とのくらし

今日は介護ベッドの交換をしてもらった。

搬入しやすいように玄関を片付けて、ベッド周辺も整理する。業者さんの車が入ってくると思うので、自分の車もできるだけ端に寄せて停め直した。

介護度が上がって費用負担が増えることをケアマネさんに相談したら、ベッドの機能を少なくすれば料金を下げられると提案してくれた。

母は退院した頃に比べれば体力も戻ってきている。足を上げる機能はなくても大丈夫そうなので、上半身だけ起こせるタイプに変更してもらうことにした。

「そこケチる?」と言われそうだけど、下げられるものは下げたい。ありがたくお願いすることにした。

合わせてお願いしていた杖のサンプルも持ってきてくれた。

誰が使うんだよ!

と思うくらい、母は無関心。

高さを調整してもらった杖を置いて、私はベッドの組み立てを見ていた。

すると、後ろから母が杖をついて家の中を歩いている。

なぜ今?

さっきまで無関心だったじゃん。

なんだか呆れてしまった。

ベッドの入れ替えが終わり、お昼はスシローに行くことにした。

なんだか疲れたので、今日は贅沢する。

いつもは食べないものをいくつか頼んだ。

つぶ貝食べ比べ、天然まぐろのハラモ、国産ほたて貝柱。

めっちゃ贅沢。

もちろん、定番の海老アボカドも頼んだ。

まだ12時前だったので、ドライブがてらイオンモールまで足を伸ばすことにした。

そこまでは、他愛もない話をしながら普通に過ごしていた。

さっき借りた杖を持ってきたので、ここで使ってみようと思っていた。

ところが母は、

「ショッピングカートを押す」

と言う。

杖は?

「腰が痛いからカートの方がいい!」

だったら車から持ってこなくてよかったじゃん!

早く言ってよ〜。

なんだかうんざりしてしまった。

これは一次的に距離を置こう、

「スーパーで運動がてら歩いて来て。10分後ここで待ち合わせね」

と言って、母と別れた。

私は少し歩いて、いくつかのお店をのぞいてからスーパーに戻った。

パンを手に持って歩いていると、母がすぐ後ろにいた。

あれ?

カートは?

「戻してきた」

私はすっかり、母がカートを押しながら歩いているものだと思っていた。

でも、母はもうカートを置いてしまったらしい。

私の頭には、私が見ていなかったら、さっさとカートを置いてサボっている母の姿が浮かんでしまった。

もう嫌になった。

手に持っていたパンを棚に戻し、買い物をせずに帰ることにした。

そもそも、腰が痛いときはコルセットをして出かけると言っていたのに、今日はコルセットもしていない。

帰りの車の中では、最初は私が文句を言い、母は、

「ちゃんと歩いてたよ!」

「10分も歩いてないじゃない!」

「まぁ時間はわからないけど…」と言う。

実際に歩いたのかは私には分からないけどね。

それ以降は、お互い無言。

母と離れたくて仕方なかった。

母を家に降ろしてから、私は一人で買い物に出かけた。

一人になると、少し気分が晴れた。

そして家に帰ってきたら……

母、コルセットしてる。

家ではしてるんかい。

コルセット、家でするより外ですればいいのに。

もう、そこは突っ込まないことにした。

いちいち腹を立てても仕方ない。

そんなことは分かっている。

分かっているけど、腹が立つ。

母の生活を管理するようになって、母が私とはまったく違う考え方をする人なんだということを、改めて知ることになった。

細かいことが気になる私。

大雑把な母。

今までは、お互いの生活に干渉しなかったから、それでよかった。

多少「なんでそうするの?」と思うことがあっても、相手のことだから放っておけた。

でも今は違う。

母の生活を私が手伝い、管理しなければならない。

だから、言いたくなくても言ってしまう。

母は母で、自分のやり方がある。

私は私で、「こうすればいいのに」がある。

そのズレが、毎日の小さなイライラになって積み重なっていく。

今日なんて、ベッドを交換して、杖まで借りて、スシローで贅沢して、イオンモールまで行って。

別に悪い一日じゃなかったはずなのに。

最後に残ったのは、

「もう嫌だ」

だった。

なんとも、とんちんかんな一日だった。

🐼 丸のひとこと:分かり合えなくてイライラする日もある。それでも、ちゃんと今日も乗り切りました。

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