雨の日に確かめたこと

朝から雨。
今日はジムの日なので、車を出して向かう。帰りにガソリンも入れてこよう。
そして、もう一つ今日やると決めていたことがある。
母が脳トレで通うことになった図書館に、一人で行けるのか。
先日、包括支援センターから図書館での集まりを勧められたものの、母は「図書館がわからない」と言うことがあった。
本当に場所がわからないのか、それともいつもの「わからない」なのか。
実際に歩いてみれば、少しはわかるかもしれない。
朝食を食べたら図書館へ行くと、あらかじめ母には伝えておいた。
少しでもやる気が出るように、今日はいつもよりちょっと高いコーヒーゼリーをデザートに出す。
こういうところで、私は地味に母を釣っている。
朝食を終えて出掛ける頃には、雨も止んでいた。
念のため、大きめの傘を一本持って出る。
今日は母の後ろを少し離れて歩いてみることにした。
私が横についてしまうと、母が本当に道を覚えているのか、私についてきているだけなのかわからないからだ。
少し後ろから様子を見る。
途中で母が「腰が痛い」と言い出した。
すると、持っていた傘を杖代わりにして歩いている。
今回もカートを押していくか聞いたのだけれど、前かがみになると腰が痛いから持ってこなかったらしい。
それなら、今後は杖を購入することも考えたほうがいいのかもしれない。
そんなことを考えながら歩いていく。
そして、目的地の図書館には問題なく到着した。
よかった。
ちゃんと来られた。
会話の中では、母はすぐに「わからない」と言う。
でも、実際にはそんなことないことも結構ある。
性格なのだろう。
その場しのぎで、適当に「わからない」と返事をしていることがあるのは以前からわかっている。
ただ、今の母の状態を考えると、そこはちょっとやめてほしいと思ってしまう。
本当にわからないのか、面倒だから「わからない」と言っているだけなのか。
こちらとしては判断がつきにくい。
図書館はまだ開館時間前だったので、外のベンチで少し休憩する。
そして、そろそろ帰ろうかというタイミングで、また雨が降り始めた。
持ってきた傘を母に差しかける。
もちろん私が持つ。
母が濡れないように傘をさしているのだけれど、急に立ち止まったり、方向を変えたりする。
傘を持っている私のことは、あまり気にしていない様子。
こういうところにも、母の性格が出ているなと思う。
それでも、今日実際に歩いてみて、一人でも図書館まで行けそうだということが確認できた。
それだけでも、少し安心した。
その後は車でスーパーへ。
せっかくなので、ドライブがてら少し遠いスーパーまで行く。
今日は久しぶりに、天気の悪い日のドライブだった。
雨はそれほど強くない。
むしろ涼しくてありがたいくらいだ。
スーパーでは、母も慣れてきたのか、自分が食べたいものをパパッと決める。
マグロのたたきのおにぎりと、イカの唐揚げ。
一応、カロリーとタンパク質、塩分をチェックする。
まだお昼には少し早かったので、家に帰ってから食べることにした。
イカの唐揚げには、茹でたキャベツを添えて、マヨネーズを少し。
デザートには、買ってきたプルーンを剥いて出す。
ところが、思っていたより酸っぱい。
「すっぱいなぁ」と思ったけれど、母は「酸っぱくても美味しい」と言って食べていた。
まだ時間は早い。
どこかへ出掛けることもできる。
でも、最近は一人でふらっと出掛けることが減ってきた。
以前なら、時間があればどこかへ行っていたのに。
今は母のことを考えているうちに、あっという間に夕食の時間になる。
今日は牛バラ肉で、えのきと青ネギを巻いて焼き、甘辛く仕上げた。
それから、玉ねぎのスライスにかつお節とマヨネーズをのせ、めんつゆをかける。
母の夕食を作る。
最近、母がちょいちょい「美味しい」と口にするようになった。
気を使っているのかもしれない。
本当にそう思っているのかもしれない。
どちらでもいい。
たとえ嘘でも、私は救われる。
毎日のように食事を作って、あれこれ考えて、母の様子を見ながら一日を過ごす。
そんな生活の中で「美味しい」の一言があるだけで、また次も作ろうと思える。
今日も一日、いろいろあった。
でも、図書館まで一人で歩けたこと。
そして「美味しい」と言ってくれたこと。
そんな小さなことが、明日の行動の糧になる。

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