秩父の風に吹かれて

日記

今日は母と一緒に、秩父ミューズパークまで出かけてみた。
途中のスーパーで昼食を買い込む。駐車場から見えた武甲山は、普段見慣れた景色とはまったく違っていて、それだけで少し旅気分になる。
ミューズパークに着くと、土曜日なのに駐車場は意外なほど空いていた。イベントがない日はこんなものなのだろうか。それとも、昨年近くで熊の出没があったという注意書きの影響もあるのだろうか。そんなことを考えながら、少し早めのお昼にした。
見上げれば、曇の白と空の青と木々の緑。派手ではないけれど、とてもきれいな景色だった。
日差しは強い。それでも吹き抜ける風は心地よく、木陰にいると暑さを忘れそうになる。
昼食のあと、少しだけ散歩をした。
母はカートを押しながら、私は日傘をさして隣を歩く。
たくさん歩く必要はない。少しでも足を動かしてほしいから、休みながらゆっくり進む。
けれど途中で母は疲れてしまい、駐車場まで戻れなくなった。木陰でカートに腰を掛けてもらい、私は車を取りに向かう。
周りには誰もいない。
木陰でひとり座っている母の姿を見たとき、なんだかとても小さく見えた。
昔は私を連れて歩いていた人なのに。
そんな当たり前のことを、改めて実感した気がした。
少し急ぎ足で車を取りに行き、10分ほどで戻る。母は私に気付いているのかいないのか、ぼんやりと前を見ていた。
あと、どのくらいこうして一緒に出かけられるのだろう。
そんなことを考えると、普段はつい口うるさくなってしまう私も、少しだけ優しくなれる気がする。
今日の秩父は、風が気持ちよかった。
そして、その風に吹かれながら、今ある時間の大切さを少しだけ考えた一日だった。

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